謎が多い鎌倉時代の初期 武家政権誕生と北条氏の権力掌握を考察。西国対東国、京都対鎌倉。源氏は好戦的でも坂東武士は厭戦的だった
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もともと鎌倉時代は、日本史上はじめての武家政権誕生ということもあり、源平合戦や、義経をはじめ恐ろしいほどの屍が累々
最後は、源氏正統の血筋が断絶、北条氏が鎌倉幕府を乗っ取る
なぜ?を重ねると、鎌倉時代の初期は謎だらけ
「鎌倉殿の13人」と同時代、ほぼ同一人物たちが登場するNHK大河ドラマ『草燃える』がある
永井路子の原作(数作品)
草燃える:Amazon
以下に、『草燃える』の原作となった、永井路子の『炎環』と『つわものの賦』の書評を書いてみる
「鎌倉殿の13人」の補習となるだろう
『炎環』は、直木賞受賞作
初版は1964年刊
NHK大河ドラマ『草燃える』の原作の一つ
悪禅師:阿野全成
黒雪賦:梶原景時
いもうと:北条保子
覇樹:北条義時
目次と主人公は上記のとおり
「鎌倉殿の13人」の補習としては、よい小説
阿野全成は、源頼朝の異母弟
同じ異母弟の義経や範頼が、頼朝によって誅殺され
その頼朝が亡くなり、北条氏の婿となっているので
魔が差したのか、実朝の乳母父となって「野心」が芽生えた?
北条氏と比企氏の権力闘争で、当代の鎌倉殿の頼家と乳母父の比企氏が優勢だった時期、巻き添えか人身御供か、配流後誅殺される
梶原景時は、御家人の権力闘争を勝ち抜こうとした気配はなさそう
ひたすら「東国武士政権」を確立したいと願っていたと思える
(おそらく大江広元が文官として、景時が武士として、思想や行動は同じだったのだろう)
そのため、源頼朝を神輿として、頼朝にとって邪魔となる者たち(とくに義経と範頼の源氏)を討っていく
頼朝は、景時の京風素養を好ましく重用したのだろうが、景時は頼朝(頼家も)の京かぶれが嫌いで、アンチ西国、これも大江広元と通じるところがあるはず
頼朝没後の御家人たちの権力闘争で、最初の犠牲者となる
「鎌倉殿の13人」では「実衣」とされている阿波局は、この作品では「保子」とされている
「いもうと」ということで、政子と義時の妹
時政の娘、ではないということだろう
上述の、阿野全成の妻、実朝の乳母
政子と同じように、夫も子供も失う
義時は、基本的には目立った事跡がない
頭角を現すのは、比企氏族滅のあたりから
あとは、本を読んでからのお楽しみ
『つわものの賦』は、1978年刊
NHK大河ドラマ『草燃える』の原作の一つ
序章:嵐の中への出発:治承四年八月
第一章:中世宣言:三浦義明の場合
第二章:空白の意味するもの:上総広常の場合
第三章:功名手柄:熊谷直実の場合
第四章:東国ピラミッド:源平合戦の意味
第五章:「忠誠」の組織者:梶原景時の場合
第六章:大天狗論:東国対西国
第七章:奥州国家の落日:征夷大将軍とは何か
第八章:裾野で何が起ったか:曽我の仇討ちにひそむもの
第九章:血ぬられた鎌倉:比企の乱をめぐって
第十章:雪の日の惨劇:三浦義村の場合
第十一章:承久の嵐:北条義時の場合
あとがき
目次でお腹いっぱい
『草燃える』『鎌倉殿の13人』とオーバーラップしている
頼朝、後白河、北条など
属人的歴史観ではなく
西国対東国
あるいは
京都対鎌倉
京・西国・朝廷の、伝統的な権威や価値観に対抗する、新興東国勢力との政治的軍事的対立がベースと見なしている
しかも、梶原景時や、文官の大江広元や三善康信などは、京を知っているからこそ、アンチ西国になったフシがある
個人のパーソナリティも否定しないが、歴史のダイナミックスで、相応しい人が表舞台に躍り出たと見なすべき
あとは、本を読んでいただきたい
今回の大河ドラマは
源氏も朝廷も、悪し様に描かれている
他方、鎌倉武士は総じて、目先の敵には武力を振るうが
遠方の、平家や義仲などとの戦闘には消極的
これから、北条義時は、源氏や三代の鎌倉殿や、他の御家人との権力闘争にのめり込むのか?
非常に楽しみ